2004年度 吉野央子展—True life 1993-2003 Ohji Yoshino exhibition —

グループ展

1987年 EXHIBITION『脳味』/扇町ミュージアムスクエア(大阪)
1988年 EXHIBITION『脳味』/ポルティコ(神戸)
関市現代木刻フェスティバル(関市・岐阜県)
1990年 三人展<木>素材へのアプローチ/不二画廊(大阪)
丹波年輪の里 全国ウッドクラフト展/(氷上郡・兵庫県)
1991年 京都美術展/京都文化博物館(京都)
京都河原町マイジャービル1Fエントランス展示/はねうさぎ(京都)
1993年 新世代展/ギャラリーすずき(京都)
アートビエンナーレ京都'93/京都文化博物館(京都)
丹南アートフェスティバル'93<武生>/(武生市・福井県)
'93次代を担う作家展/京都府立文化芸術会館(京都)
1994年 アートジャンクション9/阪急百貨店ウィンドウ(京都四条河原町)
1995年 アートヘルメット/ギャラリー16(京都)
1996年 '96京都美術工芸展/京都文化博物館(京都)
1998年 '98京都美術工芸展/京都文化博物館(京都)
「無限の眺め」中川泰朗とのコラボレーション/AD&Aギャラリー
1999年 第9回芸術祭典「京」京を創る 井上信太とのコラボレーション/智積院(京都)
2001年 個のしごと展/信濃橋画廊(大阪)
2002年 WOOD/信濃橋画廊(大阪)

個展

1989年 不二画廊(大阪)
ギャラリーすずき(京都)
1990年 不二画廊(大阪)
1991年 ギャラリーすずき(京都)
1992年 ギャラリーすずき(京都)
不二画廊(大阪)
1994年 ギャラリーすずき(京都)
信濃橋画廊(大阪)
1995年 ギャラリーすずき(京都)
信濃橋画廊(大阪)
1996年 信濃橋画廊(大阪)
1997年 ヘヴンギャラリー(京都)
ギャラリー16(京都)
1998年 AD&Aギャラリー(大阪)
1999年 信濃橋画廊(大阪)
ギャラリーDEN(大阪)
2000年 ザ・ギャラリー御池(京都)
2003年 信濃橋画廊(大阪)
2004年 ギャラリー16(京都)

略歴

1964年 鹿児島生まれ
1989年 京都精華大学美術学部立体造形科卒業

展覧会

2004年6月23日(水)〜7月19日(月・祝日)

初期の作品では牛、家舎型、赤い胃袋のようなかたち、革の継ぎ接ぎといった形態をモチーフとして好んで使っていますが、そこには人の生活と動物(特に家畜といわれる種類)との関わり、生活、運命のようなものに興味があったためです。
牛をモチーフとして使うことで作品展示空間は一見牧歌的で柔らかな情景をうみだします。木の素材感、匂いなどともあいまって、懐かしい記憶をたどるような感覚を抱かしながら、しかしそこには寓話的な隠喩があるような表現を求めてきました。それはひとの生活が、実は他の動物の犠牲の上に成り立っている、食物連鎖の頂点に君臨しているということでもあります。近年取りざたされている、狂牛病や鳥インフルエンザといったウイルスによる食品の不安感なども作品の裏に隠されたメッセージでもあったのです。
それはまさに日常生活に潜む不信感であったり、環境や未来に対する不安でもあるようにひとはこれまでの利己的な発想の転換期に立たされているのかもしれません。

最近の作品はモチーフを、牛から地図、地球、稲田、日本…と緩やかに展開し交錯しながら、基調となるテーマはあまりかわりません。生活(その中には英語で表すLIFEのような生命、人生、生き物といった意味合いを含み)の根底にある重要な要素と、その中で日々感じていること、それが作品制作の基本です。
稲作文化に代表される農産国であった日本が、経済大国と呼ばれるようになり世界にその頭角を現すように成長していくなかで、私達は多くのものを得、豊かになり、しかし一方ではとても大切なものを捨て去り、忘れようとしています。その中のひとつは固有の文化であり、精神であり、物作りに対する繊細で完成度の高い技術力です。
さらに自身のアイデンティティーを考えると、日本人としての自分があり、今世界に日本人として何を発信すべきか?日本こそが平和や反戦のリーダーシップをとるべきではないのか?といった想いもわき上がり、作品にも大きく影響しています。
自分の誇るものとそれを発信する意味を今一度考えずにはいられないのです。

ですが、いま上げたようなことを作品を通じて声高らかに叫ぶ気持ちはありません。
同じ考えが根底にはあるものの、言葉で表現することと作品で表現することは異なった表層を持っているからです。
作品は、より自由で自在で、夢や希望を語れるからです。

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